こんにちは、東京都練馬区在住のグラフィックデザイナーikeponです。
ロリポップレンタルサーバーやクラウドファンディングのCAMPFIRE、
ネットショップBASEなどを立ち上げた家入一真さんの最新刊
「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」
を先日読んだので紹介したいと思います。
小さな経済圏こそが、新しい生き方の鍵を握っている。
「はじめに」の中で家入さんはこう言っています。
個人の熱意がモノやサービスになったり、応援の気持ちがその人の生活を助けたり。
一昔前までは信じられなかったような世の中が今、確かにある。個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合っているコミュニティーのことを「小さな経済圏」と呼びたい。
今までの経済基盤である成長、拡大を目指し生産と消費を繰り返している経済の仕組みを大きい経済圏とすると
小さな経済圏とは今自分がいる場所の周りのコミュニティー内でいきていくための経済を回していくことができる比較的少数の人たちで構成される集まりのことを「小さな経済圏」というそうです。
これはクラウドファンディングなどのサービスCAMPFIREなどがまさにそうで
(クラウドファンディングとは個人や企業、団体などがインターネット上で不特定多数の人から支援を募る、資金調達とのこと)
今まであれば通常は新しいサービス・プロジェクトを立ち上げたいと思ったら銀行に融資を受けるのが一般的であったが
銀行から融資を受けられない小さな小さな会社や個人であっても、そのサービスやプロジェクトに賛同してくれる人たちから
直接お金を集められることができる仕組みなんですよね。
「なめらかなお金がめぐる社会」理想の生き方から逆算する
家入さんはまず、島根県の海士町の人たちの生き方に非常に感動したそうです。
海士町はショッピングモールどころかコンビニもなく、アマゾンでネットショッピングはできるけど配達まで時間がかかる。
そんな状況だから町の人たち同士は物の貸し借りや物々交換が頻繁に行われているし、
お互いを支えることが当たり前になっている。
そして
何より僕の心を動かしたのは、この島で暮らす移住者たちが今のライフスタイルを手に入れるために、
「自分はどんな生き方をしたいか?」という問いから逆算していることだ。
これは自分は本当に共感できました。
まず「自分はどんな生き方をしたいか?」という問いかけが大切で
その先に自分の幸せはどこにあるのかが見えてくるのだと思います。
もっと頑張れば幸せになれる、もっと稼げは幸せになれる、もっと、もっと、
ではなくて自分が幸せになる基準をしっかり持っていれば
資本主義経済のサイクルや、世間体などの他人の価値観に巻き込まれることはないんだと思います。
海士町の人たちは例えばすごくシンプルな表現だけど本書の中で書かれている
「海を眺めながら暮らせたら幸せだろう」
↓
「じゃあそのためにはどうしたらいいか?」
↓
「海を眺められる場所に住む必要がある」
↓
「海を眺めて暮らすにはいくら稼げばいいんだろうか」
↓
「どういう暮らしをしていけばやっていけるんだろうか」
と理想の生き方から逆算することで自分にとって何が大切かが見えてくるのでしょう。
その延長に小さな経済圏で生きていくということがあるのだと思います。
これは何も地方の小さな町でしか成り立たないことではなく
東京に住んでいる私たちひとりひとりも、
意識をシフトしていくだけで十分可能な生き方なのです。
今までは「小さな経済圏」を築く仕組みが整っていなかったわけですが
クラウドファンディングのCAMPFIREやフレンドファンディングと呼ばれるPolcaを
使いこなすことで、他人を巻き込み小さな経済圏を作り上げることが可能になってきています。
ただのお金の貸し借りではなく、他人との関係性や信用、はたまたアドバイス
を得ることもできるし、自分が与えることができる。
お金以外の価値がついてくるところにクラウドファンディングなどの本当の価値があります。

現状に満足させない商業主義の終焉
今の日本の社会は、現状で十分達成されていることであっても過剰に理想像を煽っているような気がしてならない。
消費者は物欲を絶えず刺激されて、それにより経済活動が賄われているのた。
これ本当にそう思います。
自分もその商業主義に結構巻き込まれている人だけど、
資本主義経済の本質がそうでもあり、逃れられないことでもあると思います。

評価型経済の時代への足音
本書では「小さな経済圏」の考え方に加えて「信用・信頼」という言葉が頻繁に登場します。
評価経済における貨幣としての「信用力」。
Uber(個人代行タクシーサービス)やAirbnb(民泊)などではすでに起こっている現象で
評価の低いサービス提供者は検索に引っかからず、評価の低い利用者はサービスそのものが使えなくなる。
本書では「人間版SEO」と表現されています。
信用力が高いような人は、実際のお金がなくても
いざとなったら助けてくれる人がたくさんいる「小さな経済圏」の中で生きていくことができるということです。
これは個人事業主やフリーランスで働いている人にもあてはまりますよね。
人と人との繋がりはお金では買えないし、繋がりから生み出される付加価値は
お金という概念をはるかに超えた価値だと思うのです。
まとめ
本書では「小さな経済圏」についてもっと深く書かれていますが、
さらっと感想を述べさせてもらいました。
今まではいわゆる「大きな経済圏」しか選択できなかった私たちですが
インターネット、シェアリングエコノミー、ソーシャルサービスの
目覚ましい発展によって、個人が様々な発信やビジネスを提供することができるようになりました。
メルカリでインターネット上のフリマができ、UberやAirbnbで個人が配車サービス、宿泊サービスができ
BASEやminne、creemaなどでネットショプを立ち上げることができる。
クラウドソーシングで会社以外で収入を得ることもできる。
「小さな経済圏」を作りやすい、飛び込んでみやすい環境が整うことで、
今、「大きな経済圏」から抜け出せずもがいている人たち(自分も含め)が動き出すきっかけになるかもしれません。
そんなことを本書を読んで思いました。
まだ読んだことがない方はぜひ一読することをお勧めします。
なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。家入 一真

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